ヒトメタニューモウイルス感染症とは?
気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症をひきおこすウイルスの一種です。幼児の間で流行することが多いのですが、大人にも感染することがあります。
とくに乳幼児や高齢者では重症化することもあり、注意が必要です。
ヒトメタニューモウイルス感染症の主な症状
ヒトメタニューモウイルス感染症は、いわゆる風邪症状にとても似ています。熱が3~5日続き、咳・鼻水・ゼーゼーする症状が長引きます。咳がひどく水分がとれなくなって入院が必要にあることもあります。
ヒトメタニューモウイルス感染症の特徴
ヒトメタニューモウイルスに感染しても、1週間程度で症状は治まります。しかし、1回の感染では免疫が獲得できません。何度か繰り返して感染してしまいますが、年齢が上がるにつれて徐々に免疫がつき、症状が軽くなる傾向にあります。
ヒトメタニューモウイルスは、RSウイルスの症状に似ており、見た目だけでは診断できません。
ヒトメタニューモウイルスの迅速診断キットがありますが、保険診療するうえでは対象年齢に一定の条件があったり、胸部レントゲンが必要な場合があります。
例年3月から6月が流行のピークですが、今年は5月から流行が始まっているようです。
ヒトメタニューモウイルス感染症の治療と予防
- ・基本は対症療法
- ヒトメタニューモウイルスだけに感染している場合、それぞれの症状を楽にするための対症療法を行います。水分を充分にとり、ゆっくりと休ませましょう。
- 症状が辛いときは、咳や鼻水を抑えたり、熱を下げたりするためのおくすりが出ることがあります。
・細菌の同時感染にも注意
- ヒトメタニューモウイルスと同時に細菌にも感染してしまうことも少なくありません。
ヒトメタニューモウイルスに感染し、熱が4日以上続く場合は、細菌にも感染している可能性があり、その場合は、抗菌薬が必要となります。熱が長引く時は中耳炎や細菌による肺炎などをおこしていることがあるので、もう一度早めに受診しましょう。また、おくすりが出たら、医師や薬剤師の指示通りにのみましょう。
・手洗い・うがい 家庭内でも感染対策を
ヒトメタニューモウイルスは、咳やくしゃみで吐き出されたウイルスが付いてしまったり(飛沫感染)、気がつかないうちにウイルスに触れてしまったり(接触感染)することで感染が拡がります。保育園・幼稚園や小学校などでの集団感染に注意する必要がありますので、自宅での手洗い・うがいを徹底しましょう。お子さまの調子がよくないときは、ウイルス感染が拡がらないよう、マスクを着用する、タオルや食器を分けるなどの感染対策をしましょう
。