今回、国は5歳~11歳へのワクチンを推奨しますが、「努力義務」ではないとしました。結局は各家庭や医療の現場に任されたということになります。
基礎疾患のあるお子さんや肥満度の高いお子さんなど重症化リスクの高いお子さんにはワクチンを接種して重症化を防ぐことが大事だと思います。また家庭の中にご高齢の方や基礎疾患のある方がいらっしゃる場合は、お子さんが発症して、大人にうつしてしまうケースがありますので、ワクチンを接種して家族を守るという考えも大事だと思います。
一方では、高齢者などリスクがある人への3回目の接種が進めば、子どもは接種しなくても重症化リスクがある人を守れるという意見の方もいらっしゃいます。
当初、妊婦さんへのワクチン接種も、最初は心配されていましたが、母体を守り、赤ちゃんも守ることがわかってきて、現在は努力義務となっています。
ワクチンには個人を守る、家族を守る、社会を守る効果が期待されます。海外でのこどもへのワクチン接種の効果と安全性のデータも集まってきました。家族構成、基礎疾患のあるなし、新たな変異株に備えて少しでも感染リスクを減らしたい状況があるかないかを家族で話し合って接種をするかどうかを考えていただくのが良いと思います.
お子さんのワクチン接種の副反応についてはどう考えればよいのでしょう。
成人が接種した時に高熱が出たり、接種部位の痛みが強いうことは知られています。海外の報告ですが思春期や5〜11歳の年代共に成人よりもその頻度は少ないとされています。また、一時期話題になった5〜11歳における心筋炎も、発生頻度が少なくて、かつ全例回復しているという報告がなされています。
お子さんへの接種に関しての議論は本当に難しい点があるのですが、安全性に関しては比較的担保されてきていますので、今までに述べたワクチンの意義について保護者の方が可能なかぎりお子さんとよく相談して接種を検討することが大事だと思います。 (2022年2月17日の時点での院長の見解です。逐次状況により見解が変わる場合がありますので、その際にはまたお知らせ致します)
なお、現在小児の発熱外来を行っており、通常の乳児健診、定期予防接種の時間枠以外にお子様への新型コロナワクチン接種を実施することが難しい状況です。その代わり、院長は慈恵医大で行われる集団接種への出動を行うことになっています。大変恐縮ですがご理解のほどよろしくお願い申し上げます。